【第3話-①】衝撃的な告知〜産後初めての対面。命名

娘に重大な
障害があるかもしれない。

その告知は衝撃すぎました

が、その時点で
事実を把握することなんて
到底できるはずもない私は

きっと大丈夫。
まだ何も決まっていないし
治るはす!

と根拠なく自分を納得させました

何しろ、”障害”ということ自体に
あまりにも無知過ぎて、
そんな、知らない世界のことが
自分に降りかかるなんて全く想像できず

自分事になっていなかった
というのが正確かもしれません

まして、検査では
疑われていた染色体異常が
はっきりと見つからなかったので

より障害ということを
否定していたのかもしれません

そして

出産から2日目に
やっと娘との対面を果たします

1980gで生まれた赤ちゃんは
想像以上に小さく、
私の両掌にちょこんと乗ってしまう感じで

裸ん坊のまま
ちっちゃい未熟児用の
オムツをはめて保育器の中です

鼻から経管栄養の管が通されているけれど

でも、お顔を真っ赤にして
一生懸命泣くことだってできるのです

「かわいい」

迷いなく、素直にそう言葉がでて
涙があふれました

保育器の外から手を入れて
背中を撫でてあげながら
手に感じる赤ちゃんの体温、
その暖かさに
さらに涙が止まりません

その対面は私にとっては
赤ちゃんの誕生の瞬間です

裸ん坊の生まれたての
赤ちゃんには
豊かさも、欣びも、強さも
全てつまっていて、愛そのもの

誕生したての
ただただ命は、それだけで
愛おしく
何の不足もありません

そう感じた瞬間は
障害があるかもしれないことなんて
何もよぎるはずはなかったのです

この瞬間のこの欣びを
どうして持ち続けられなかったのだろう
どうして、この時のこの感覚を
すぐに忘れて手放してしまったのだろう

今、振り返るとそんな風に思えます

その小さな命に

「紗貴(さき)」と名付けました。

柔らかく繊細だけど
力強く生きている

そのイメージから、その命に名を付けました

(続く)

保育器の中の娘と初めての対面
生まれたての赤ちゃん。無条件の命を尊いと感じた瞬間。命名