【第18話−②】障害児をはじめて共生の場へ!怖かったはじめの一歩

さて、前回→(第18話ー①)の続きです

ドキドキしながら

始めていわゆる「健常児」の中に
障害児の娘を連れていった日のこと。

それから、回を重ねていくに連れ
段々私の心が変化していく様子を記したいと思います

=====================

先生に案内され

子供たちが賑やかに集まる部屋に入ると、

私は少し泣きそうな気持ちで

隅っこに娘と座りました。

すると・・・。

案の定

子供たちは、物珍しいものを
みる目で

ジーと固まって
代わる代わる娘の”観察”が始まりました。

見たこともない世界を
目の前に見せられたからなのか

まず、じーっと無言で娘を見る。

中には、指をくわえたまま
微動だにせず、見ている子もいます。

色々敏感だったこの頃の私には
ズキンと
心に刺さるこの視線。
ちょっと心が凍りついてしまいました。

そして、子供たちは
ひとしきり”観察”が終わると

今度は、誰かが口火を切ります。

「喋れるの?」
私→ 喋れないの

「何歳?」

私→もうすぐ4歳

「えー4歳なのに赤ちゃんみたい」

私→・・・・。

「あーあーって声しか出さない」

私→そうだね

「鉛筆もてるの?」

私→持てないよ

「なんで歩けないの?」

私→足の先が曲がってるから
(本当はその機能が発達しないから)

「なんで喋れないの?」

私→わからないの

「どこ見てるの?」

私→窓かな?壁かな?

って。もう、なんでなんでの集中砲火

強張った笑顔で
なんとかその質問に
答えてる私だったけれど

始めはそれがすごく辛くって

帰宅後は
なんとも言えない気持ちになって
ポロポロと
泣いていました。

でも
そんな気持ちになっても

不思議と
その場を避ける選択肢は私にはなく

次の週も
またその次の週も

娘とお教室に向かったのです。

そしたらね

そのうち子供たちの方から慣れちゃった感じ。

時々、フツーに「さきちゃん、お菓子食べる?」なんて
お裾分けしてくれようとする子もいたりして。

何だかほっこり・・。

私の固かった心が、徐々に徐々に
柔らかくなっていきました。

そして

ある時ふと気づきました

ああそうか!

子供たちは
知らない世界を見た時に

心に浮かんだ「知りたい!」を
ただの忖度もなしに発していただけなんだ!

と。。

みんな、かわいい!と嬉しくなって

そしたらもう

そんな子供たちの質問に
いちいち感動しっぱなし。

私の捉え方も随分変化していた感じです

子供たちの素直な質問に対して

先生はいつも決まって
こうお話をされていました。

「みんなは知らないかもしれないけれど

世の中には、本当は色々な子がいるんだよ。

入院している子だってたくさんいるんだよ。

元気なことに、ありがとうって思うといいよ」

と、シンプルに暖かく、穏やかに。

そして

それを聞いた子供たちは

「ふーん」と
それぞれに納めていく感じ。

段々と

そこに娘がいても、「別に」っていう
当たり前の空気が出来上がっていきました。

私が感じたかったであろう

障害児の娘がその場にいても

何も特別じゃなくなる空気、空間。

いつしか

ここにきた目的は
こういうことだったと
大きく
うなずいている私がいたのでした。

先生がおっしゃったとおり

きっと、その空気を
娘は全身で感じ
娘なりに沢山の
ギフトを受け取っていたはずだし

そこで触れ合った子供たちが

色々な命、人が
いるのだということを
やはり肌で感じあっていたのだとしたら
嬉しいと思う。

きっと

この空間の中で目には見えない
互いのエネルギーが行き交って

分け合えていたのだろうと
信じています。

枠を超えて
一歩踏み出すこと、

その身を晒すことは

痛みも伴うし、
当然怖いのです

でも

この時

始めてその枠を超えて

娘と共にあるがままを生きる
始めの一歩を

ちゃんと自分の意思で進んだ私。

ちょっと
誇らしく思えています

人がそれぞれの本来の色を
放ち、溶け込みあっていくこと

融合して創造していく世界というのは

今もずっと持ち続けている
私のコアなメッセージ。


それは

こんな風に
一歩また一歩と壁を叩いて
構築していったのでした。

結構イバラの道だったけれどね・・・。

(続く)